稽留流産の手術後、半年以上経っても妊娠しないので、病院で検査してもらうことにしました。
その時に不妊に関するパンフレットを3冊いただきました。
- 赤ちゃんがほしいあなたへ 知っておきたい、不妊の基礎知識
- 不妊症の検査を受けられる方へ Infertility & Checkup
- 「赤ちゃんを欲しい」とお望みの方へ ~検査・治療などのご紹介~
自分の知識を深めるためにも、その3冊の内容をまとめておこうと思います。
前回は妊娠のプロセスについてまとめました
↓↓↓
<初心者向け>妊娠のプロセス、ホルモン、基礎体温について簡単に分かりやすくまとめてみた
今回は不妊症についてまとめます。
不妊症って?
不妊症とは
不妊症とは、カップルが赤ちゃんを望んでから1年たっても子供ができない場合をいいます。
10組のカップルのうち1組が不妊だといわれています。
避妊をしていないカップルが妊娠する確率は、1周期(1月経周期:約28日)で約30%、1年間では90%を越えます。
残り10%のうち、ほとんどの場合、何らかの原因を有しています。
臨床的に不妊症とは、1年間以上通常の夫婦関係を持っていても妊娠しなくなる場合をいいます。
女性も男性も加齢にともなって、妊娠するための身体の機能が低下していきます。
また、最も妊娠しやすい20歳代でも、1回の排卵で妊娠できる確率は30%前後だといわれています。
不妊症は、特別めずらしいことではありません。
厚生省による出生動向基本調査(2010年)では、夫婦の3組に1組は不妊を心配し、6組に1組は検査や治療を受けています。
- 不妊を心配したことがある:31.1%
- 不妊を心配したことはない:59.4%
不妊を心配したことがある夫婦のうち
- 検査や治療を受けたことがある:16.4%
- 現在治療を受けている:1.6%
少しでも早く赤ちゃんが欲しいと思っていてもできなくて焦っている場合は1年を待つ必要はなく、専門医療機関を受診し不妊症の検査を受けてもよいでしょう。
不妊症の種類
- 原発不妊症
一度も妊娠したことがない場合 - 続発不妊症
今までに妊娠出産を経験したが、そのあと不妊の場合
WHO(世界保健機関)による調査では、不妊症の原因は男女ほぼ半々という結果がでています。
- 女性のみ:41%
- 男性のみ:24%
- 男女ともにあり:24%
- 原因不明:11%
不妊症は、決して女性だけの問題ではありません。
女性、男性、また男女ともにも不妊の原因が考えられるうえ、それぞれの夫婦間によっても事情が異なります。
不妊の原因
妊娠成立過程のどこかに障害があると妊娠しにくくなります。
不妊の原因といっても、今の医学で比較的有効に治療できるものから、なかなか難しいものまで様々ですし、複数の原因による場合もしばしばあります。
女性の場合
排卵がうまく起こらない
排卵が不規則または無排卵、卵子が育たない、などの排卵障害の場合、妊娠は難しくなります。
排卵がなくても月経は起こる場合があるので、各種検査によってまず、排卵障害かどうかを知ることが必要です。
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)の低下
- 多のう胞性卵巣症候群
- 高プロラクチン血症
- 早発卵巣不全
高プロラクチン血症
不妊の原因、特に排卵障害の原因の1つとして、脳下垂体からのプロラクチンの分泌異常が考えられます。
本来、このプロラクチンというホルモンは分娩後の授乳期間に分泌が増えて、乳汁分泌を促す働きをしています。
このホルモンの血液中の濃度が高くなりすぎると、高プロラクチン血症といって、排卵が起こりにくくなります。
主な症状
- 無月経
- 不妊
- 乳汁漏出
- その他(性欲低下、骨粗しょう症など)
卵管がつまったり細くなっている
卵管がつまったり細くなったりしていると、精子や卵子、受精卵がうまく運ばれなくなります。
- 卵管閉塞・狭窄
- 細菌感染
- 子宮内膜症による卵管・卵巣の癒着
- 卵管采のピックアップ障害
子宮の状態がよくない
子宮のトラブルにより、受精卵の着床が起こりにくくなったり、着床してもうまく育たなくなる場合があります。
- 子宮筋腫
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮内膜症
- 先天性子宮奇形
その他の原因
その他の女性不妊の原因として、抗精子抗体などの免疫異常や遺伝子の異常なども考えられます。
また頸管粘液が少ないと、子宮の入り口を精子が通過できず、不妊になることもあります。
しかし妊娠のメカニズムは複雑なため、原因不明の場合が多いのも事実です。
- 抗精子抗体
- 頸管粘液が少ない
男性の場合
男性不妊の原因は、「精子がつくれない」「精子の数が少ない」など生殖器のトラブルである場合が多いといわれています。
また「性欲が低下している」「勃起しない」などのストレスや過労による性機能障害があるかどうか、あらためてチェックすることも大切です。
精子をうまくつくることができない
男性不妊の原因の8~9割は造精機能障害といわれています。
他の原因を探る前に、まず、元気な精子が充分つくられているかどうかを把握することが必要です。
- 先天的な造精機能障害
- 無精子症
- 精索静脈瘤
精子がうまく運ばれていかない
精子の通り道に何らかの障害があると、精子は運ばれなくなります。
精巣で精子がうまくつくられていれば、治療などにより通り道の障害を取り除くことで自然妊娠は期待できます。
- 閉塞性無精子症
- 繰り返す精巣上体炎
射精障害と勃起障害(ED)
射精障害の主な原因は逆行性射精で、射精のときに精液が膀胱に逆流してしまう病気です。
EDは、からだの機能が正常なときは、心理的なことが原因で性交渉できないトラブルです。
ストレスやライフスタイル、心理的な影響も妊娠を妨げる?
ストレスや過労などによりEDになる人は増えています。
EDを防ぎ、状態のよい精子を作る方法としては、日常生活のなかで過度の喫煙や飲酒を控え、長時間熱にさらされる(例えば、ノートパソコンを膝の上にずっと置くなどの)環境を避けましょう。
不妊症にならないために
- 性交渉の回数が多すぎるのも(排卵期に毎日)、少なすぎるのも(排卵期に一度だけ)考えものです。
予想される排卵期前後に何回か夫婦関係を持ち、それ以外でもある間隔で夫婦関係を持つのが理想的です。 - 体重も不妊症と関係があります。
やせすぎていたり、太りすぎているとホルモンの分泌に障害が出て卵巣機能不全となり排卵に至らなくなります。 - 性感染症にかかると、卵管に癒着が生じ、精子、卵子が通りにくくなります。
無症状のことが多いので、早期の検査とパートナーも同時に治療することが大切です。 - 卵巣機能は35才以降に加齢現象で卵細胞の数が減少し、異常卵子の数が増加していきます。
妊娠適齢期はありますので、なるべく早く妊娠・出産を終えましょう。
不育症の相談窓口
流産は約15%の頻度で生じますが、高年齢や流産回数が多くなるにつれて頻度は増加します。
2回以上の流産、死産、あるいは早期新生児死亡があると不育症と定義され、毎年3.1万人の不育症患者が出現していると言われています。
2012年春から各都道府県に不育相談センターが設置され、不育症の悩みや心配についてメールや電話・面接で相談することができるようになっています。
まとめ
不妊症の原因の半分は男性にもあるというのは驚きでした。
不妊症は、決して女性だけの問題ではない!
でもデリケートなことなので、じっくり話し合える夫婦関係を築いておかないといけないと思いました。
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